1人入れば黒字、1人抜ければ赤字。ケア業界の採用リアル
「人手不足は全国的な課題」なんてニュースで耳にしますが、ケア業界の小規模事業にとっては、そんな抽象的な話ではありません。
もっと切実で、もっとリアル。
スタッフ1人の採用や退職が、売上表・シフト表・利用者満足度すべてを直撃する。
これは小規模事業だからこその“あるある”なのです。
利用者10人に対して、スタッフ1人が消えるとどうなる?
小さなデイサービスでは、利用者数が20〜30人。
そこに働くスタッフは5〜10人。
つまり1人抜けると、戦力は10〜20%ダウン。
大手に換算したら「数十人が一気に辞めた」くらいのインパクトです。
「1人くらい…」なんて思っていたら大間違い。
小規模事業では “1人=現場の心臓” なのです。
採用に失敗すると、社長が現場に引きずり出される
ケア業界あるあるですが、採用に失敗すると真っ先に犠牲になるのは社長や施設長。
- 「夜勤に入るはずじゃなかったのに…」
- 「経営の打ち合わせの予定が、訪問スケジュールに変わった」
- 「今日も車で送迎」
気づけば経営者が現場にフル参戦し、経営戦略どころではなくなる。
これこそ スタッフ1人の採用が経営を左右するという証拠です。
3. 1人入ると“黒字”、1人抜けると“赤字”
数字的なインパクトも無視できません。
たとえば訪問看護。
1人のスタッフが1日4件訪問し、1件あたり7,000円の売上としましょう。
→ 1日28,000円、月20日稼働で 56万円。
スタッフ1人いなくなると、この売上がごっそり消えます。
固定費は変わらないので、会社全体が一気に赤字へ。
逆に1人採用できれば、たった1人で会社が黒字に戻ることもあるんです。
現場の空気が変わるのも“1人”から
ケア現場の雰囲気って、驚くほど“1人”に左右されます。
- 気配りができる新人が入っただけで、場が明るくなる
- 真面目なスタッフが抜けただけで、全体の士気が下がる
- ギスギスしていたチームに“ムードメーカー”が1人加わって空気が一変
つまり採用は単なる人員補充ではなく、職場の空気そのものをデザインする行為なんです。
小規模事業だからこそできる「一点集中採用」
大手は大量採用で“数”を確保しますが、小規模は「たった1人」に全集中するしかありません。
だからこそ、採用戦略も大手と違います。
- 「条件」ではなく「共感」で集める
- 「求める人物像」をはっきり打ち出す
- 「現場のリアル」を見せて、ミスマッチを防ぐ
この“一点集中採用”こそ、小さな会社の生き残り戦術です。
小さな会社の採用は「一発勝負」
大手が「100人採って1割残ればいい」と考えるのに対し、
小規模事業は「たった1人が命綱」。
採用に成功すれば、
●売上が増える
●現場が回る
●空気が明るくなる
逆に失敗すれば、
●経営者が現場に引きずり出される
●利用者にサービスを断る羽目になる
●雰囲気が一気に悪化する
小さな会社の採用は、まさに「一発勝負」。
だからこそ、大手と同じやり方ではなく、小さな会社にしかできない採用戦略が求められるのです。