一緒に作りあげる “任せすぎる社長”が会社を壊す。
「任せたよ、あとはよろしく。」
この一言を、あなたは軽く口にしていないだろうか?
ケア業界では“現場に強いリーダー”が多い。
現場を知っているから、ある程度のことはわかる。
だからこそ、経営の一部を「理解したつもり」で任せてしまう社長が多い。
だが、それが一番危険です。
「任せた」の裏側で、会社は静かに崩れ始める。
打ち合わせが適当。
意見を求められても「君に任せるよ」。
外部とのやり取りでも、トップが自ら判断せず、部下に「どう思う?」と聞く。
その姿を見たスタッフはこう思っている。
「社長って、結局何をしたいの?」と。
経営者が“旗”を立てないと、現場は迷う。
そして、旗のない組織には、いつか“別の旗”が立つ。
つまり、あなたの右腕が、あなたの知らぬ間に“次の社長”になっていくのです。
トップの「判断放棄」が招く、見えない離反。
給料を上げているから大丈夫。
たまにご飯に連れていって機嫌を取っているから大丈夫。
…そう思っていないか?
実際には、現場では小さな不満が積み重なっている。
「結局、社長は何もわかってない」
「口だけで、最後は現場任せ」
そんな声が、あなたの見えないところで飛び交っている。
その火種は、最初は小さい。
だが、時間をかけて静かに燃え広がる。
「肩書きに頼る経営者」は、足元をすくわれる。
“社長”“理事長”“施設長”という肩書き。
それを誇るのは悪いことではない。
だが、その肩書きの裏に「実力と責任」が伴っていなければ、ただの“空の肩書き”にすぎない。
結果、現場の空気が変わっているのに気づかない。
そして、気づいたときには手遅れなのです。
「任せる」と「丸投げ」は違う。
「すべてお任せで!」
この言葉ほど、経営者として危ういものはない。
もちろん、すべてを自分でやる必要はない。
むしろ、専門外の分野はプロに任せたほうがいい。
だが、任せた後に「理解を止める」のは危険です。
理解のない“お任せ”は、責任の放棄に等しい。
●たとえば、採用戦略を業者に丸投げしていないだろうか?
●現場の声を聞かずにSNS投稿を任せていないだろうか?
●デザインやHP制作を「おしゃれだから」と決めていないだろうか?
“理解しようとする姿勢”がないトップに、人は本気でついてこない。
「何かあったら責任は俺が取る」本当に?
この言葉をかっこよく言う社長ほど、いざ何か起きたとき、スタッフを責める傾向がある。
「なんで確認しなかった?」
「報告が遅い」
「そんな判断は聞いてない」
結局、“責任”の定義を履き違えている。
本当の責任とは、問題の根を掘り下げ、自分の指示・教育・環境を見直すことです。
そう自問できる経営者だけが、人を育て、会社を守れる。
「一緒に作りあげる」組織が、最後に勝つ。
ケアの現場では、“人”こそがすべて。
どれだけ制度や設備が整っていても、スタッフが心から共感して動かない限り、組織は動かない。
“命令”ではなく、“共創”へ。
“上司と部下”ではなく、“同志”として。
打ち合わせとは、指示を出す場ではない。
価値観をすり合わせ、未来を描く場です。
社長が「どうしたいか」を語り、スタッフが「どうしたらできるか」を話す。
そのキャッチボールがある会社は強い。
風通しが良いだけでなく、信頼が循環している。
“理解しようとする姿勢”が信頼を生む。
経営の勉強をしているか?
数字だけでなく、人の心の動きを学んでいるか?
「やる気がないスタッフ」ではなく、「やる気を奪っている仕組み」があるのではないか?
その問いを立てられる経営者こそ、真のリーダーです。
「スタッフが育たない」
「人が辞める」
その原因の多くは、現場ではなく“経営者の姿勢”にある。
経営とは“支配”ではなく、“理解”だ。
そして、理解とは“共に作る姿勢”そのもの。
一緒に作りあげる、この意識を持てる社長だけが、これからのケア業界で“選ばれる会社”を築いていける。
